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ADHD検査結果。【セカンドオピニオン編】

こんにちは!以前ADHD検査を受けた私ですが、実はもう一度受けました。本記事では前回同様、受けるまでの過程から結果までを記録していきたいと思います。

 

 

 

 

受けようと思った動機

ちょうど2年前にADHD心理検査を受けているにもかかわらず、なぜもう一度受けようと思ったか?というのも、ある日、2年前の検査時にお世話になった心理士さんの言葉を思い出したのです。

 

「今回の結果は環境や体調によって内容や見解が変わってきます。」

 

2年前の私の環境といえば、東京で一人暮らし。引きこもりでスーパー以外は外に出ることがなく、太陽光を浴びることなんてまずない。深夜もゲームに明け暮れ、いつ寝てたのか自分でもあんまり覚えてない。(多分午前中に寝て午後起きてた)3食食べているわけでも、栄養に気を遣った食事をしているわけでもない。抗うつ剤は飲まず(医者から処方された薬はきちんと飲みましょう)、風呂もまともに入らない。THE 不健康(そして汚い)な生活をしていました。

今は実家(石川県)で家族と住んでいます。一人暮らしのときより外出は増えました。開放的な造りの家なので太陽光も比較的浴びやすく、太陽光浴びながらひなたぼっこもする日も3食きちんと栄養バランスのいい食生活で、薬も決められた量を飲み、お風呂もきちんと入ってます。(当たり前)それに加え、一人暮らしのときはおろそかにしていた掃除にも気を遣うようになりました。

 

と、まぁこのように、私の中では「環境がガラッと変わったな!」というイメージ。”できることを少しずつやっていこう”をスローガンのように自分の心に掲げ、就労移行支援施設(就労訓練所みたいなところ)に通ったりもしていました。しかし環境が変わった分、昔とは違う苦労が増えていきました。

前回はかなり就労に向けて前向きな理由で検査に至りましたが、今回は「様々な環境の変化で結果が変わっている可能性はないか?」と、今の自分の状態を知り、納得するために受けてきました。

 

 

検査内容

  • 医師の診察
  • 採血/CT
  • CAARS
  • WAIS-Ⅳ
  • 心理士との面談

 

CAARSは記入式でASD/ADHD度合いを検査するものです。WAIS-Ⅳは前回受けたWAIS-Ⅲの進化版のような感じだそうですが、簡単にいえば一般教養をもとにした成人知能検査で、結果はIQ値で出ます。前回受けたロールシャッハがなぜ今回採用されていなかったのかは聞いてません。血液検査やCTも説明されましたが、忘れました。(採血した血を記念に持ち帰りたいと言ったら却下されました)WAIS-Ⅳのあと、心理士と1時間半ほど面談しました。WAIS-Ⅳを受けた私をみて心理士がどう思ったとか、こんなことで悩んでないかとか、いろんなことに対して親身になってくださいました。

 

 

診断結果

細かい説明の前に結果をかかせていただきます。不注意優勢型ADHDであり、軽度ADHDによる双極スペクトラム睡眠障害が併発する「重ね着症候群」といったものでした。

重ね着症候群、はじめて聞きました。ADHDの研究がすすんだことにより、3年ほど前から生まれた概念だそうです。

 

 

ADHDには2種類ある

※医師の供述の記憶を書き起こしたものです。

現在の医学的にはADHDには2種類あります。どちらも先天性であり、生きている中で特性が変わるなどといった後天性ではないとします。

  1. 幼少期や子供時代からADHDの症状が目立つ。
  2. IQ85以上あり、一般能力は平均もしくは平均以上あり、子供時代はADHD症状がほぼ目立たない。成人してから多岐に渡る診断や治療の中で発覚する。大人のADHDと呼ばれる。(重ね着症候群)

 

大人のADHDとか大人の発達障害って最近よく聞きますよね。医師の話によると、大人のADHDの症状の出方は外部環境に依存そのストレスによってまず最初に睡眠リズムの乱れが発生するそうです。そして睡眠の乱れやストレスから身体の調子が悪くなり、病院に受診したらはじめは精神病や睡眠障害といった精神疾患の診断をされる。そして治療を受けるもなかなかうまくいかず・・・なんらかの機会で発達障害が発覚することが多いようです。

つまり、睡眠障害→精神病→発達】といった順に明確になっていくような感じで、早い段階で睡眠障害が必ず起きるらしい(もしくは精神病と併発)のですが、はじめは一般的な精神疾患と診断され治療をすすめていくため、発達が原因で精神疾患の症状が出ていることがわかるまでには時間がかかります。

 

外部環境に依存するとは?

重ね着症候群の場合、私のように軽度ADHDであることが一般的だそうです。”外部に依存する”というのは、”環境(外部)によって特性がどのように現れるか左右されやすい”ことを意味します。よく言われる話ですが、発達の人は人より優れた特性を持つ一面もあります。それを発揮できる環境であったり、特性をうまくカバーできる環境であったり、そもそも能力を求められることがない環境にいる場合は問題にはなりませんよね。しかし自身と合わない環境や特性をカバーできない状況に身をおいていたら、自身の努力ではどうにもならない能力の欠如に落ち込むことでしょう。ADHDの特性がいい方向で出現するか悪い方向で出現するかは、環境や仕事のやり方など、自分がどのような環境に身をおいているかが関わってきます。

 

 

重ね着症候群について

私のように幼少期・子供の頃は発達の症状が目立たず、IQ知能85以上で平均もしくは平均より上の能力があるため発達が疑われることなく、社会人やある程度成長してから、外部環境によるストレスで心の病にかかる人(大元の原因はADHD)のことを重ね着症候群と呼ぶそうです。重ね着と言うのは、一見ただの精神疾患(Tシャツ)のようだが、原因に発達障害(肌着)が存在することを洋服に例えたものです。

 

重ね着症候群に類する人たちは共通して、なかなか発達障害を疑われることはなく、最初はうつ病など様々な精神疾患で診断されます。しかし原因の発達障害に関してはなにも触れていないのでなかなか良くならない、もしくは再発を繰り返し、発達に気付くまでは多岐に渡る場合が多いです。

現に私も、重ね着症候群であるとわかるまで数年かかりました。(以下私の診断遍歴)

 

初診時【抑うつ状態/適応障害

2年前【軽度ADHD抑うつ状態】

半年前【軽度ADHDうつ病

今年の2月【軽度ADHD双極性障害

現在【双極スペクトラム障害を伴う軽度ADHD(重ね着症候群)】

 

重ね着症候群で苦しむ理由

重ね着症候群の人たちは”軽度”ADHDであることが一般的です。そして普通に日々を過ごしている分には目立たない(発達と思われない)ため、「ちょっと変わった人」程度ですむことが多いです。そして私が何よりも辛いと思ったのが、自分以外の人からの評価と自分自身の評価に大きなギャップがあることです。それは今回の心理検査の中でも明らかになっていきました。

 

CAARSの結果

ADHDの検査内容に含まれるCAARSADHDであるか・どのようなタイプのADHDかを検査する記入式シート)は自己評価と観察者評価の2軸で検査がすすみ、数値によって評価されるものです。

私の場合、そのふたつの結果の間には大きな差がありました。私の結果は簡単に表現すると「極端に自己評価が低い」ものでしたが、矛盾の多い結果となっており、正確な結果として扱うには信ぴょう性にかけるデータだと判断されました。

多分今のでハテナマークになっちゃいましたよね・・・ごめんなさい。上記の矛盾とは簡単にいえば、【物忘れしやすい】という項目に対し【しやすい】と【しにくい】、どちらにも”はい”を記入している場合です。「物忘れをしやすいけど物忘れしにくい」って意味分かんないですよね?この場合は回答に矛盾点がある。と解釈されます。

このようにCAARSはADHDの特性を探る中でデータに矛盾点がないか?信憑性のある(参考にしてもいい)データか?を測る要素も存在します。この矛盾指数が私の自己記入結果だと高く、観察者(母親)の結果は矛盾指数が低かった(回答に矛盾点がほぼ見られない)です。

 

 

私はショックでした。否定されたような気持ちになったのです。私の自己記入結果は全く参考にならないということ・・・?自分のことなのに?私の思ってる感覚は全部間違っているのか?

検査項目の中には、家族にはわからないような項目、仕事や特定の環境にいないと特性が目立たない項目など、普通に家にいる私しか知らない家族の立場だと評価しづらい点も多かったのです。医師によると、CAARSをする上で、観察者記入シートの”観察者”に誰を起用するかによっても結果は大きく異なるらしい。そりゃそうです。家にいる時の私と仕事してるときの私と友達といるときの私。全部が全部一緒ではありませんし、それぞれの見られ方に違いがあるのは当然のことです。

 

また、私は自己評価と観察者評価に大きな差があることが気になりました。わかりやすく言うと、私が思ってる私と母から見た私に大きな違いがあったのです。私は意図的に自身をADHDである過大評価して検査に取り組んだわけではありませんし、母も「私が発達障害なわけない!」といったような、偽った評価はしていません。

ただ矛盾点の多かった私の結果についてひとつ言えるとしたら、私はいろんな項目をひとつの尺度で評価していませんでした。「実際困ったことがある」「困ったことはないが一般に比べたらどのくらいに該当するか」「人から言われたことがあるか」など、いろんな視点で考えていたため、矛盾する回答も多かったのかなと思います。

 

周りが思う私と、自分が思う私。

ここでようやっとこの見出しの本題に入りますが(長かったですね・・・!)、昔からなんとなく思ってたことがあります。「みんなが思うほど、私はできた人じゃないよ。」って。仕事場(当時営業をしてました)での評価は真面目で勤勉、抜けも多いが明るく前向きでテキパキしてる・・・みたいな感じでしたが、実際は人より頑張らないとみんなに追いつけないと思ってたし、仕事うまくいってなくてもバレたくなくて笑顔で振る舞ってたし、後ろ向きになったところで数字取れないのはわかってたし、諦めたような態度が少しでもバレれば周りから見放されると思ったから。自分なりにうまくやろうととにかくがむしゃらに仕事に取り組んでいましたが、今思えばめちゃくちゃ無理をしていました。そして1年目頑張った結果、2年目は更に先のことを求められ、ついに頑張っても手が届かなくなりました。その時、私が真っ先に気にしたのが「仕事できないやつだと思われちゃう」「やる気ないと思われちゃう」

 

自己評価が低いために、他者からよく見られたいとハードルをあげていたのは自分だと自覚しています。今もその傾向はあります。その結果苦しんでしまうケースが多かったので、この先どうしていくかが課題です。

 

ADHDは生涯付き合ってくもの

ADHDの特性による症状(例:衝動性が強い場合にすぐ怒る)を抑えたり症状を緩和する薬はありますが、持って生まれた遺伝子であり性格であり能力であり個性なので、完全に塗り替えることはできません。生涯付き合っていくものです。 発達を持っていても気付かずに過ごす人もいますし、うまく対処できている人もたくさんいると思います。

 

今から書くことは、重ね着症候群と診断された私が今後取り組んだほうがいいと医師から言われたことです。めっちゃシンプルなことを2つ言われました。

  1. 睡眠リズムを整える
  2. 1日30分の有酸素運動を行う(できたら朝)

 

睡眠リズムを整える

ADHDは睡眠リズムが乱れやすいそうです。ストレス性のものですが、一度乱れると乱れそのものがストレスとなり悪循環に陥るパターンも少なくはありません。たとえば、睡眠リズムの乱れによって日中やる気が起こらなかったりして抑うつがひどくなるとか。

睡眠はやはり気分や身体のリズムの基盤だそう。大事なのは、朝起きて日光を浴びること。日中は動くことを意識したり、夜寝る前はスマホを見ないなど、良質な睡眠をとることや決まった時間に寝て決まった時間に起きるといったことを心がけましょう。(特に変わったことは言われませんでした)

 

1日30分の有酸素運動をする

残念ながら(?)運動うつに効くという事実は医学的に立証されているらしいです。午前中に有酸素運動を30分程度行うのが一番いいとか。・・・あぁ・・・・・・・・・私、超面倒くさがりなんですよ・・・。これを聞いた時に耳が痛すぎてズーンとなっちゃいまして・・・医師がそれを察して「朝起きて運動するのがハードル高いなら、夕方とか気分がマシなときでもいいよ〜。無理せずね。」と声をかけてくださいました。ちなみに1日40分の運動は認知症予防になるそうです。

 

 

まとめ

私は環境が変わったからもう一度検査した。と言いましたが、環境が変わったことで困ることやうまくいかないことが増えたのがそもそもの始まりです。なかでも一番困っていることが、気分の乱れによって予定をうまく遂行できないことです。それには双極スペクトラムの症状、睡眠の不安定さがかかわっているのは確かで、それは自覚していました。

今回の検査で自分が軽度ADHD(に伴う双極スペクトラム障害/睡眠障害)/重ね着症候群であるとわかり、治療法がより明確になったと思います。しかしめちゃくちゃ面倒くさがりでインドア派なので、苦戦を強いられると思います・・・。(笑)

 

また、「自分でできること」として睡眠と運動をあげられましたが、双極スペクトラム障害(うつや気分の乱れ)の薬用療法は引き続き継続しながらうまく調整していってくださいとのこと。双極のような脳の病気は気持ちの持ちようでどうにかなるものではありませんから、薬用療法が一般的です。(一般的に認知されていませんが、うつ病双極性障害の治療法は全く異なります)

薬用療法に今まで頼っていましたが、これからは睡眠と運動を頑張って取り入れてね!ということですね。はやく睡眠時の薬漬け生活から開放されたい・・・。

 

 

 

正直、外に出かけることが簡単ではない状態の現時点では、明るい未来なんて想像できたことがありません。どこでどんな風に働いてるのか想像もつかないし、今の状況から健康的な自分をなかなかイメージできません。それでも今の状態でいたいとは思ってないし、なんとかしたいのが本音です。

これからも奮闘することになるとは思いますが、とりあえずはかかりつけの医師に今回の結果を伝えた上、治療に励んでいきたいと思います。

 

みなさまの毎日に少しでも希望がうまれますように。本日はこれにてさよなら〜!